現場をやる気にさせる!障害者雇用を始める際にやっておきたい現場の説得方法3選

障害者採用を導入しようとしている経営者・人事担当者様、

ちょっと待ってください!


障害者採用を円滑にすすめ、業務効率を高めながら障害者の方に長く働いてもらうためには、受け入れ態勢の整備が重要だということは中級編のコラムでお伝えしましたが、
今回は、もう1つの重要な要素、

現場の理解を深める


というところに焦点を当ててご紹介させていただきます。

実際に、

「障害者を雇いたいけど、中々現場が納得してくれない…」

と悩む経営者・人事担当者の方は多くおられます。

このコラムでは、

✔障害者を採用する際に、現場を説得し、前向きな受け入れ態勢を作る方法

についてご紹介していこうと思います。

 

現場を説得するその前に…

さて、さっそく現場を説得させるためには…

 

と言いたいところですが、その前にまず確認していただきたいことがあります。それは、

現場がなぜ障害者の方を雇用することに反対しているのか

ということです。

 

現場を説得するためには、現場の従業員の方々が抱いている不安を解消する必要があります。

 

例えば、

 

✔障害者の方とのかかわり方が良く分からない…

✔障害者の方が入ってくることで仕事がはかどらなくなるのではないか…

 

などは、現場の従業員の方が抱えている不安の代表的なものです。こうした不安を解消することなくして、現場の説得はできません。

 

そこで、現場の従業員の方に話を聞くなどして、まずは何が不安なのか?をしっかりと把握しましょう。具体的には、直接ヒアリングしたり、アンケートを実施してもよいでしょう。

 

そこで出てきた不安こそが、現場を説得するために説明しなければならない点になります。

 

現場をやる気にさせる説得方法3選!

では、現場の従業員の方が抱えている不安を把握したところで、具体的にどうやって障害者採用に前向きにさせていくのか、その代表的な方法をご紹介していきます。

 

その1 業務に関する社内アンケートと業務効率の見える化

現場の方が、

「障害者の方が入ってくることで、業務がはかどらなくなるのではないか?」

と考えている場合に有効なのが、社内アンケートの実施です。

 

ただし、先述した不安を聞き出すアンケートではなく、今負担になっている仕事や、誰かにやってもらいたい仕事はないか?を聞き出していきます。

 

そうして聞き出した業務は、現場の従業員の方が負担に感じている業務ということになります。そして、その業務を障害者の方が担えないか検討します。

 

例えば、メールの送受信管理の業務は、単調で苦痛に感じている従業員の方が多いかもしれませんが、臨機応変な対応は苦手だけど単調な作業は得意な障害者の方にとっては、しっかりとマニュアルを作成すれば、パターン化できるため、やりやすい業務になるのです。

 

このように、もし現場の従業員の方が負担に感じている業務が、障害者の方が担える業務だった場合は、さらに、その結果全体の業務効率がどのくらい上がるのかを、「図やグラフ等で可視化」し、現場の従業員の方に伝えます。

 

そうすることで、現場の従業員の方々は、自分が負担に感じていた仕事を任せることができ、さらに社内の業務効率が目に見えて上がるものだと理解できます。

 

つまり、障害者採用という選択を自身の実利に加え、なぜ障害者採用に踏み切ろうとしているのかという、経営者や人事担当者の方の意図まで汲んでくれるようになります。

これらがしっかりと伝われば、現場の従業員の方々も障害者採用に前向きになってくれることでしょう。

 

その2 インターン制度の活用

また、インターン制度の活用も、障害者の方への現場の理解を深める上では、重要な選択肢の1つです。

 

現在では、障害者トライアル雇用制度など、障害者の方にいったん職場で働いてもらう制度が充実してきています。

 

やはり、障害者の方と一緒に働けるのか?を判断するには、実際に一緒に働くことがもっとも分かりやすく、手っ取り早い方法です。現場の方々もそのインターンシップ期間で障害者の方との接し方をある程度把握してもらえれば、正式に入社して一緒に働くことも受け入れやすくなるでしょう。

 

その3 社内セミナーの実施

障害者の方との接し方を現場の方に理解してもらうための方法としては、社内セミナ―の実施も効果的です。

 

無料で支援してくれるジョブコーチをはじめ、業務を行う上での障害者との接し方を熟知している専門家の方を呼んで、人事担当者と現場の方が一緒になってセミナーを受けることで、より障害者の方を受け入れやすい土壌を作ることができるでしょう。

 

そうしたセミナーを開く際には、単なる知識を得るだけではなく、その専門家がいなくても自分達だけで実践できるようなノウハウを学び取ることに重きを置くと、よりセミナーの効果が得られます。

さらに、雇い入れる障害者の方にも協力いただいて実施すれば、現場の方々にとっても障害者の方にとっても相互理解が深まる良いセミナーになります。

 

現場をやる気にさせる!障害者雇用を始める際にやっておきたい現場の説得方法3選

今回は、障害者採用を行う上で重要な要素の1つである、

 

現場の従業員の方々の障害者採用に対する理解を深め、障害者採用に前向きにさせる

 

方法についてご紹介してきましたが、

先ほどご紹介した方法は、組み合わせることでより大きな効果を発揮します。

 

現場の理解を得られずに行う採用は、障害者採用に限らず良いことはありません。

 

焦ることなく、しっかりと現場との協力体制を築き上げたうえで、自社の業務効率を上げる1つの機会として、障害者採用をしていくことが大切です。

 

そうすれば、経営者や人事担当者、現場の従業員の方々、雇い入れる障害者の方いずれにとっても利益になるような理想的な雇用を実現することができるでしょう。